今日は電車で1時間くらいかけて、三鷹に行ってきた。
現在、
三鷹市美術ギャラリーと文化芸術センターの2ヵ所に別れて、写真家
牛腸(ごちょう)茂雄の展覧会が開催されている。
牛腸茂雄を知ったのは、
写真雑誌「デジャ・ヴュ」を見た10年ほど前のことだった。写真評論家の
飯沢耕太郎氏が編集長を務めていたこの季刊誌は、今の世知辛い出版業界事情では出せないような
豪華な装丁と内容だったが、巻頭で牛腸の特集を組んだ号があったのだ。
掲載されていた写真はもちろんだが、ロールシャッハテストのような
デカルコマニーの作品がとても印象深く、なぜかずっと心に引っかかっていた。だからこそ、滅多に最近は美術館やギャラリーにはなかなか足を運ぶ時間もないのだが、これだけは見たいと思っていたのだ。
展示されていた作品のほとんどが
キャビネくらいのサイズ。しかし、この人にしかできない絶対に真似ができないような
鋭い構図で、子供や、人や風景が切り取られている。被写体は、恐ろしいほど
何かを訴えてかけてくるのだった。
とにかく・・・・・・参った。この感じはいったい何なんだろう?展覧会で久々に
感動を覚えた。写真集で見るのとはまた違った衝撃。ずっと見たかったデカルコマニーやマーブリング作品も本当にすばらしかった。ほかにもっとうまく表現できないものかな(苦笑)でも、本当に感動したときは言葉にならないよね。
牛腸は36歳で亡くなった。自分が彼と近い年齢になった日に、こうして改めて彼に作品に対峙できたのをとても幸せに思う。ひさびさに、とても
充実した誕生日を迎えられた。