発掘したブツの中に、以前とある方にいただいた
「PASSENGER TOUR」パンフのコピーが出てきました。
まずは、プロフィールの写真とともについていたメンバーのエッセイ(?)。
花田裕之 [THE MAN IN ZENITH]
Zenithで会ったアイツはイカレテタ
ステージの上から獲物をねらう黒ヒョウみたいだ。
何の前ぶれもなく連射される
言葉が体につきささってくる。
誰かに追われてる 緩急なビートだけでオレは充分さ、
なにも いらない
バレットレゲエの後は 2コードの
ロックンロールが時間を越えて続く。
ギタリストのゲージはとっくに切れている
ドラマーはあきらめ切った表情で
リズムを 深めてゆく
キャデラックムーンよ
ゆっくり ゆっくり 夜のかなたへ
消えていってくれ
もう 少しだけ 楽しませて欲しいんだ
もう 少し
体に触れる ゆるやかなうねりに
身をひたしたい。
下山淳 [THE REPTILES & ROCK'N'ROLL]
スピードを感じる事の出来ないものは醜い。
スリルを味わう事の出来ない毎日はとても退屈だ。
そしてこのコトは僕の中でどうしてもハ虫類のイメージと
オーバーラップするのだ。
彼らはとても美しいしなにより完璧なフォルムをもっている。
あくまでストイック、そして強いイメージがある。
僕は子供の頃から彼らにあこがれ、
何処へいっても彼らの姿を追い求めた。
時にはズボンのポケットに入れて学校へ行ったりもした。
しかし、僕の彼らに対する思いが深まれば深まるほど、
僕自身危険な領域に入り込むことになる。
なぜなら、彼らはまた、そういった僕のような者の心に
応える術を持ち合わせてはいないからだ。
彼らにあるのはあまりにも純粋すぎるため、
もはや生き物のそれをはるかに超えてしまう。
まるでマシーンのような攻撃本能と、
殺した相手を思いやるのが不可能な
ほんのちっぽけな脳だけだ。
あまりにストイックなるがゆえ、慣れ合う事が出来ない。
この辺が慣れ合いを原点としている犬や猫とは違うところだ。
しょせん相容れぬ種族なのだ。
僕にとって彼らは。
僕にとってのR&Rも実は同様のイメージがある。
やはり僕は、太ったものと鈍いものが肌に合わないようだ。
柞山一彦 [RECKLESS IN THE CITY]
オートバイに、半年ぶりに乗り始めた。
先日、六本木をはしっていた。
ら、六本木の交差点の近く、明治屋のあたりに、
タクシーと白い4ドアの車が。
二重駐車して。
いて、時速60kmくらいで、乗用車の左側を。
はしっていたぼくは。
その白い4ドアの車の、テールにぶつかりそう。
になって、命が2カ月分減った。
と、
その4ドアの運転席の青年の。
髪型が、大嫌いで。4ドアの右側に出。
4ドアの、4つあるドアの。右側の前の、ドアを、
左足のブーツのカカト。
出来るだけ強くけって。へこんだ。
逃げた。ら、追って来る。道は、空いていて。
逃げるの大変。
逃げきると。東京タワーの、前で、
こんどは、
赤いサイレンを2つ鳴らしながら、
白いバンが、僕を追いかけてきた。
灘友正幸 [2500RPM]
愛車はCB350セニア、15年前の物である。
私はこいつで、20歳前後には随分無茶な走りをしたものだった。
しかし、今ではスピードもスリルも求めない。
日曜日になると、娘のみかんをうしろに乗せて、
第三京浜を80km/h・2500rpm前後で、コロコロと転がす。
バーチャルツインSOHCのエンジンは、この位が一番いい音を出す。
娘のみかんも、たいへん男が好きなようだ。
やはり母親に似たのであろう。
妻は娘が5歳のころ、若い男とどこかへ行ってしまった。
みかんは今年中学に入ったばかり、
小学校のころ付き合っていた彼氏と別れて、
もう新しい彼氏をつくったみたいだ。
私は最近キャバレーに行くようになった。
妻は今ごろ、どうしているのだろう。
⇒下山先生のエッセイは何だかグッときちゃいますね。。。
そういや、灘友さんのお嬢さんは「みかん」ちゃんでしたね^^
すごい可愛い名前だなぁって、当時思ったものでした。
花田&下山 インタビュー [TALK OVER THE LIVE]
―自分にとってライヴというと、どんな事を想像します?
花田:好きなもんですね。
下山:ライヴは楽しみですね。わりとなんか、楽しめればいいってことで、できとかあんまり関係なくて、始まれば1時間半くらいで終わるから、その間たのしめるかどうかってことで…
―ライヴの対極のレコーディングってものがありますけど?
下山:うーん、やっぱりスタジオだと、どっかにリミットがあるんですよね。頭を押さえられてるっていうか、ライヴはリミットみたいなの全然ないから発散しようと思えば、どこまででもやれるっていうか、ストレートなエネルギーがあるんじゃないかな。
―スリルってことに関しては?
下山:レコーディングはレコーディングでスリルはあるけど、レコーディングは推敲できるでしょ!? プレイ・バックできるから、ライヴは全然違ったスリル。やり直しできないスリルがありますから。
―ライヴとレコーディングじゃ、どちらがバンドというものを意識しますか?
下山:やっぱライヴじゃない。スタジオいると個人になって、リズム録り以外はバラバラだったりするし。でも、ライヴってそういうわけにいかないから。
―バンドにとってのライヴって……?
花田:ライヴしなくちゃ、バンドじゃないしね。
―それはどうして?
花田:大原則みたいなとこありますからね。僕にとって。
下山:昔なんか、わりとディスコとかクラブとかで始まったわけでしょ!? '50年代とか'60年代に入ってもバンドって、クラブとかから出て来たわけだから、そうじゃないバンドってなかったわけでしょ!? そういうとこで演奏して人気が出て、レコード出してみたいな。そこがやっぱりあるんじゃないかな。
―ライヴの楽しみっていうと?
下山:自分の音がその場で見えるところっていうか。レコードの反応っていうのは、ダイレクトじゃなくて、巡り巡って来るみたいなとこがあって。実際ライヴは見えるわけだし、お客さんもいるし、鳴ってる全体の音も分かることだし、いいライヴをしたら楽しいですよね。
―音のせめぎあいっていうのが、ステージ上ではあると思うけど?
下山:うん。いい時はそういうとこたくさんあるし、だめな時は全くなかったりする。
―そういうせめぎあいが多いほどいいライヴというわけですか?
花田:うん、僕はそう思うけど。
―いいライヴをするっていうことに関しての義務感のようなものは?
下山:うん、それは最低限やってるつもりだけど、自分のできとかっていうのは、ちょっとコントロールしかねるよね(笑)
花田:僕たちの場合って、ほかと比べたら無防備でライヴに臨んでるとこってあるしね。一回一回分かんないみたいなとこってあるでしょ。ライヴで決め事のようなのがあったら、楽なのかもしれないけど、それはちょっと違うと思うし。
―ステージにおける緊張ってあります?
下山:だらだらってステージに行っちゃうから、あんまりない。でも、自分の中でテンション高めて行かないとっていうのはある。
―テンションの高め方っていうと?
下山:1時間くらい前から、ステージへ集中しようとするんだけど、あんまり集中できないんですよ(笑)
花田:けっこう、普段とは違う状態にはなってるからね。そのままいっちゃいますね。その後の演奏がいい時は、いくっていう感じはありますけど。なんかステージの上で気になることが多かったりする時は、だめですね。バンドの音が一つに聴こえるとか、ウネってるような感じになった時は最高です。
―ウネリっていうのを感じる時というのは?
花田:それがなぜそうなるか、自分でもはっきり分かんないんですよ。
下山:やっぱりかなり集中してる時だよね。
―ライヴで一番大切にしてることって?
下山:最初から最後までのノリってあるでしょう。頭の曲から最後の曲まで、それがスムースに維持できれば、と思ってる。
花田:僕は"SPEED & THRILL"ですね。
⇒感覚的な部分を重視する花田と、その一歩先を見ている下山。
2人が語る、「ライヴ観」って今も変わってないような気がしますね。
花田選手、言葉数は少ないんだけど言うことは一貫してます^^